Googleスプレッドシートでデータ分析や帳票作成をしていると、「同じ値が何度も出てきて見にくい……」と感じたことはありませんか?
そんな時に便利なのが、UNIQUE関数。
今回は、実務でよく使う売上データを例にして、UNIQUE関数の基本から活用例までを丁寧にご紹介します。
UNIQUE関数とは?
UNIQUE関数は、指定した範囲から「重複を除いた一意の値」を抽出できる関数です。
基本構文
=UNIQUE(範囲)
たとえば、A2:A100
に「店舗名」が入っていて、それぞれ複数回登場しているとします。
このとき、以下のように入力すれば、重複を除いた店舗名一覧が得られます。
=UNIQUE(A2:A)

実務で使える!UNIQUE関数の活用例
ここからは、実際の「売上データ」シートを使って、実務でよくあるケースに合わせたUNIQUE関数の活用方法をご紹介します。
今回使うデータは以下の通りです。
※実際のシステムから抽出されるデータを想定しています。

店舗一覧を作って集計に使う
売上データに複数店舗が含まれている場合、まずは「どの店舗があるのか」を整理したいですよね。
=UNIQUE(売上データ!K2:K)
これで店舗名(例:「渋谷店」「新宿店」「池袋店」など)の一覧が取得できます。
この一覧を元に、SUMIFS関数などを使って店舗ごとの売上集計が簡単にできます。

ちなみに、上図の例だと売上実績は以下のようにやっています。※B2セルの場合
=sumifs('売上データ'!I:I,'売上データ'!K:K,A2)
商品別の一覧を作って在庫管理に応用
商品一覧を別シートに作りたい場合、売上データから商品一覧だけを抜き出すことができます。
=UNIQUE(売上データ!F2:F)
たとえばこの関数で、
- ノートPC
- プリンター
- ディスプレイ
など、売れた商品名の一覧を自動で取得できます。
このリストを使って在庫管理表や商品別レポートを連動させると便利です。

担当者一覧を抽出してレポート作成に活用
営業メンバー別の実績管理を行う際、まず必要なのは担当者一覧。
=UNIQUE(売上データ!J2:J)
この関数で「佐藤」「山本」などの名前だけを取り出せます。
この一覧を元に、ピボットテーブルやSUMIFS関数と組み合わせて、個人別の売上レポートを作成可能です。

よくある応用パターン
条件付きのUNIQUE|特定の状態だけを抽出したい
たとえば「完了」した売上データだけの商品名一覧を取得したい場合、UNIQUE関数単体では難しいですが、FILTER関数と組み合わせることで実現できます。
=UNIQUE(FILTER(売上データ!F2:F, 売上データ!L2:L="完了"))
このようにすれば、完了ステータスの商品名のみをリスト化できます。
プルダウンメニューとして使う
データ > データの入力規則
を使えば、UNIQUE関数で抽出した一覧をプルダウンの選択肢として活用できます。
たとえば
- 店舗名一覧を部署ごとの集計表で使いたい
- 商品名リストから選ばせたい
といった用途にピッタリです。
元データが更新されても自動で反映されるので、メンテナンスの手間が激減します!
注意点とコツ
- 元データに空白が多いと、それも一覧に入ることがあるので注意
- データの先頭行(見出し行)は含めずに指定する
- UNIQUE関数はスピル(セルの下に結果が流れる)するため、下のセルには何も置かないようにする
まとめ
UNIQUE関数を使えば、日々の業務でよくある「重複を除いた一覧作成」が驚くほど簡単になります。
活用シーン | 使用例 |
---|---|
店舗名一覧の取得 | =UNIQUE(売上データ!K2:K) |
商品一覧の作成 | =UNIQUE(売上データ!F2:F) |
特定条件で絞る | =UNIQUE(FILTER(...)) |
プルダウン作成 | 入力規則と組み合わせ |
データが増えても自動で対応できるのが最大の強みです。
まずは簡単な列で試してみて、必要に応じてFILTER関数や入力規則と組み合わせてみましょう。