「スプレッドシートのデータがごちゃごちゃして見にくい…」「毎回書式設定するのが面倒…」そんな悩みをお持ちではありませんか?
そんな時、テーブル機能を使えば、データの整理と分析が驚くほど簡単になります。
今回は、テーブル機能の基本から応用まで、初心者にも分かりやすく解説していきます。
テーブル機能とは?できることを整理
Googleスプレッドシートのテーブル機能は、データ範囲を「テーブル」として認識し、書式設定やデータ管理を自動化してくれる機能です。
テーブル機能でできること
- 自動書式設定:見やすい表に一瞬で変換
- 列の型設定:プルダウン、チェックボックスなどを簡単追加
- フィルタ機能:各列に自動でフィルタが追加
- グループビュー:特定の条件でデータをグループ化
- 自動集計:グループごとの合計や平均を自動計算
- データの自動拡張:新しい行を追加すると書式も自動適用
ポイント:従来なら手動で行っていた書式設定やフィルタ追加が、ワンクリックで完了します!
基本的な使い方|データをテーブルに変換する方法
まず、基本的なテーブルの作成方法を見ていきましょう。驚くほど簡単にできます!
ステップ1: データ範囲を選択
テーブルにしたいデータ範囲を選択します。見出し行も含めて選択してください。
例:売上データの場合
A1:D10 (見出し:日付、商品名、カテゴリ、金額)
ステップ2: テーブルに変換
- メニューから「表示形式」をクリック
- 「テーブルに変換」を選択

完了!これだけで、見やすいテーブルの完成です。フィルタも自動で追加されます。

ステップ3: 列の型を設定(オプション)
各列の「型」を設定することで、さらに使いやすくなります
- プルダウン:選択肢から選ぶ形式(ステータス管理など)
- チェックボックス:完了/未完了の管理
- 日付:日付の入力と表示を統一
- 数値:計算用の数値データ

注意:列の型を変更すると、既存のデータに影響する場合があります。事前にバックアップを取ることをお勧めします。
Excelのテーブル機能との違い
「ExcelのテーブルとGoogleスプレッドシートのテーブル、何が違うの?」という疑問をお持ちの方も多いでしょう。主な違いを比較してみましょう。
項目 | Googleスプレッドシート | Excel |
---|---|---|
作成方法 | 表示形式 → テーブルに変換 | 挿入 → テーブル |
自動拡張 | ○(新しい行が自動でテーブルに含まれる) | ○(同様の機能あり) |
構造化参照 | △(2024年導入、まだ制限あり) | ○(完全対応) |
グループビュー | ○(2025年4月にアップデート) | ×(別途ピボットテーブルが必要) |
列の型設定 | ○(プルダウン、チェックボックス等) | △(データ入力規則で対応) |
共同編集 | ○(リアルタイム共同編集) | ○(OnlineとDesktopで異なる) |
Googleスプレッドシート テーブル機能の独自メリット
- グループビュー機能:Excelではピボットテーブルが必要な集計がワンクリック
- 直感的な列型設定:プルダウンやチェックボックスが簡単に設定可能
- クラウドベース:どこからでもアクセス、自動保存
- 無料で利用可能:Googleアカウントがあれば追加費用なし
グループビューで効率的にデータを整理
テーブル機能の目玉であるグループビューについて詳しく見ていきましょう。この機能により、データの可視化と分析が格段に向上します。
グループビューとは?
特定の列の値に基づいてデータを自動的にグループ分けし、それぞれのグループを折りたたみ表示できる機能です。
グループビューの活用例
- ステータス別:「完了」「進行中」「未着手」でタスクをグループ化
- 担当者別:営業メンバーごとに売上データをグループ化
- カテゴリ別:商品カテゴリごとに在庫データをグループ化
- 期間別:月別、四半期別に実績データをグループ化
グループビューの作成手順
例:プロジェクトタスクを「ステータス」別にグループ化
以下のタスク管理テーブルがあるとします。
タスク名 | 担当者 | ステータス | 期限 |
---|---|---|---|
資料作成 | 田中 | 進行中 | 2024/06/20 |
会議設定 | 佐藤 | 完了 | 2024/06/15 |
企画書レビュー | 鈴木 | 未着手 | 2024/06/25 |
顧客ヒアリング | 田中 | 進行中 | 2024/06/22 |
データ分析レポート | 佐藤 | 未着手 | 2024/06/30 |
- テーブルを選択
グループ化したいテーブルをクリックして選択状態にします - グループビューを作成
テーブル右上のメニューから「グループ化したビューを作成」を選択 - グループ化する列を選択
グループ化の基準にしたい列(例:ステータス、担当者など)を選択

グループ化後のイメージ

グループビューの便利な操作
- グループの展開・折りたたみ:各グループの左側の「▼」「▶」をクリック
- 全グループ一括操作:上部のボタンで全グループを一度に展開・折りたたみ
- グループ内検索:特定のグループ内だけでデータを絞り込み
- 並び替え:各グループ内でさらに詳細な並び替えが可能
集計機能で自動計算を活用
2025年4月のアップデートで追加されたグループ集計機能により、各グループの合計や平均を自動で計算できるようになりました。
自動集計の種類
基本集計
- カウント:各グループの件数
- 合計:数値列の合計値
- 平均:数値列の平均値
- 最大・最小:最大値・最小値
集計機能の設定方法
- グループビューを作成
前述の手順でグループビューを作成します - 集計列を設定
グループビュー画面で、集計したい列のヘッダーをクリック - 集計方法を選択
表示されるメニューから「合計」「平均」「カウント」などを選択 - 集計結果を確認
各グループの下部に集計結果が自動表示されます
実用例:売上データの集計
以下の売上データがあり、「担当者」別にグループビューを作成しているとします。
元データ
担当者 | 商品名 | 売上金額 |
---|---|---|
田中 | ノートPC | 120,000 |
佐藤 | モニター | 60,000 |
田中 | マウス | 3,000 |
鈴木 | キーボード | 8,000 |
田中 | サービス契約 | 50,000 |
佐藤 | プリンター | 40,000 |
鈴木 | 消耗品 | 2,000 |
「担当者」別にグループビュー作成

「売上金額」列に「合計」を設定すると、以下のように自動集計されます。

一目で各担当者の実績を把握!
注意点と制限事項
データサイズの制限
- テーブルは最大10,000行まで
- 大量データの場合は複数のテーブルに分割を検討
- 処理速度は通常の範囲と比べてやや重くなる場合あり
関数との互換性
- 一部の配列関数(ARRAYFORMULA等)では期待通りに動作しない場合あり
- テーブル外からテーブル内データを参照する際は通常の範囲指定を使用
- 構造化参照は徐々に対応関数が拡充される予定
共同編集時の注意
- 複数人が同時にテーブル設定を変更すると競合する可能性
- グループビューは個人別に保存されるため、設定を共有する場合は別途連携が必要
- 列の型変更は全員に影響するため、事前に相談することを推奨
トラブルシューティング
よくある問題と解決法
- テーブルが重くて動作が遅い
-
データを整理し、不要な列や行を削除。必要に応じてテーブルを分割
- グループビューが作成できない
-
テーブル内にデータが存在し、グループ化したい列にデータが入っているか確認
- 集計結果が正しくない
-
対象列のデータ型が正しく設定されているか、空白セルがないか確認
まとめ|テーブル機能で作業効率を大幅アップ
Googleスプレッドシートのテーブル機能は、比較的新しい機能ですが、すでに多くのユーザーの作業効率を大幅に向上させています。
テーブル機能で実現できること
- ワンクリックでの美しい書式設定
- 直感的なデータグループ化
- 自動集計による分析の効率化
- プルダウンやチェックボックスの簡単設定
- リアルタイムでのデータ管理
- チーム全体での情報共有
- 手動集計作業からの解放
- 様々な角度からのデータ分析
最後に
テーブル機能は今後もアップデートが続く予定です。Googleの発表によると、さらなる集計機能の拡充や、他のGoogle Workspaceアプリとの連携強化が計画されています。今のうちに使い方を覚えておくことで、将来的にさらに大きな効率化を実現できるでしょう!